« Mission Complete | トップページ | どうぞお大事に。 »

2004.06.06

天国へのメッセージ

入院していた時に同じ部屋だった方が亡くなってしまった。昨日、新聞のお悔やみ欄でそれを知り、未だにショックが消えない。同じ日に手術を受け、お互いの回復に向けてほぼ1ヶ月同じ時間を過ごしていただけに、非常に残念だ。短い間ではあったが、お互いが辛く苦しい時期に接してきただけに、その方の無念さを強く感じずにはいられない。やりたいことや伝えたいこと、まだまだたくさんあっただろうに・・・

その方は自分よりも大きな手術をしたのだが、「復帰への意欲」をとても強く持っていて、たかだか盲腸の手術をした自分の方が逆に力を与えられていた。しかし、自分が退院する直前に容体が思わしくなくなり集中治療室に入ってしまい、結局最後に顔を見ることができないままにこのような結果になってしまった。今は最後にお礼を言えなかったことが心残りでならない。

そして・・・治療に従事していた病院関係者の方々もまた、無念さを強く感じていることだろう。同じくほぼ1ヶ月、自分が世話になった方々なだけに、その心中を察するに余りある。所詮は患者の立場で簡単に言っては失礼になってしまうが、「医療に携わることの大変さ」が少しだけ分かったような気がする。

様々なやりきれない思いを頭の中で整理し・・・いや、完全に整理はできていないけど、今の段階で出てきた結論は「その方の分まで生きよう」ということだった。柄にもないし単純すぎるほど単純だけど、直接感謝を伝えられなくなった以上、自分にできるのはそれしかない。

ほんの短い交流だったけど、その人との時間は忘れないと思う。今はただ、天国に向かって「お世話になりました」と伝えたい。

|

« Mission Complete | トップページ | どうぞお大事に。 »

コメント

この記事には私がコメントするべきか、せざるべきか・・・なんて考えました。
同じ病室にいた、ある意味辛いことと共に戦う患者さん同士は、きっといろんな意味で持ちつ持たれつなんでしょうね。
お互いお世話したりされたり、いい時間が持てたのではないでしょうか。
天国に旅立った人も、その瞬間をきっと大切に生きて、、そしてその人の分まで生きなくちゃとHITさんが思うように、この世に残る人に考える時間を残してくれたのだと思います。
我々医療従事者は、普通の人よりも多くの人の生と死に接し、その一つ一つにいろいろと学ぶことを見出します。そして次の生と死に向かっていくのです。
誰もが敬謙な気持ちかどうかは分かりませんが、私の経験した多くの生と死も沢山のことを考えさせてくれました。悩んだし、混乱したり自信をなくしたりもしました。でもそのときに出来ることを精一杯やったのなら、それは事実として受け止めなければならないことなのだろうと思います。
この先医療の進歩と共に、人間が人間以上の生き物ではないことを忘れないで、きちんと生と死に向かい合えるような世の中になる日が来ることを切望します。

投稿: かみ | 2004.06.07 23:14

まずは・・・貴重なコメントを頂き、大変感謝しています。

「患者同士の繋がり」というのは(自分が誰かを見舞った際などに)客観的に見るよりも非常に強い、ということが今回の入院を経験して身を持って理解できました・・・いや「思い出した」という方が正しいかもしれません。

中学1年の頃に鼻の簡単な手術を受けたことがありますが、その時は「同時期に同じ手術を受けることになっていた」2歳上の先輩と2歳下の小学生が同じ部屋でした。もちろん全くの初対面でしたがすぐに仲良くなって、自分を含む全員がわずか1週間の入院だったにもかかわらず、退院する時は別れが名残惜しかった、という思い出があります。

その後は幸いにも大きな病気をすることは無かったけど、あの時感じた「繋がりの強さ」を、そして「病に直面した人間の気持ち」を、20年の時が過ぎる中で忘れてしまっていました。今回の入院と、そこでの人々との出会いは、忘れていた、忘れてはいけなかった大切なものを思い出させてくれた気がします。

この2004年に病に倒れることもなく、そのまま何事もなく、普通に、淡々と生きていたら・・・「人の痛みや苦しみを、表面では理解したつもりでいて、実は何も分かっちゃいない」そんな未熟な人間のままで年を重ねてしまっていたことでしょう。未熟なままで人の上に立ったり、人の親になってしまったかもしれません。もちろん今も未熟だけど、今回の入院が自分の人生に何らかの影響を与えることは間違いないと感じています。

そしてまた、医療に携わる方の苦労も少しですが肌で感じられたと思います。主治医の先生は「いつ休んでるんだ?」というくらい毎日様子を伺ってくれたし、看護師の方々も常に優しく温かく、前向きな気持ちを持たせてくれるよう接してくれました。「それが仕事だ」と簡単に片付けてしまえばそれまでだけど、「じゃあ自分は、自分の仕事をどれだけ徹底してやってるんだ?」と自問自答した時に、自らの反省しか出てこなかったのが現実でした。人の命を預かる仕事だけに責任も重く、時にはそれから逃げ出したくなることもあるでしょう。でも、そこで踏みとどまってくれたなら、その後は多くの人を救うことができる医者・看護師になってくれると思います。今はすべての医療従事者に応援の言葉をかけたいものです。

>この先医療の進歩と共に、人間が人間以上の生き物ではないことを忘れないで、きちんと生と死に向かい合えるような世の中になる日が来ることを切望します。

人間を救えるのは神でも機械でもなく「人間だけ」だし、人間以上の何かに救われることはありえないですからね。生と死に向かい合うことは確かに「重い務め」だけど、生きている以上はそれを避けることはできないし、逃げずに受け止めなければと考えます。きちんと向き合うことで「生きているという事実」は実感できるだろうし、「生きているからこそ感じられる喜び」も見つけられるでしょう。これから生きていく中で多くの「負」に立ち向かわなければならないけど、悪いことばかり起こるわけじゃないだろうから、僅かな、微かな、小さな喜びを見落とさず、一つ一つ拾いながら、前を向いて進んでいきたいと思っています。

今、こうしてキーボードを叩いている自分の横には、一缶の冷えた発泡酒があります。病に倒れる前まで「美味しいお酒を飲める」ことは当たり前としか感じていなかったけど、今は「ようやくお酒が飲めるようになった」ことに大きな喜びを感じます。この事実に乾杯!(^-^)

投稿: HIT | 2004.06.12 21:35

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23477/723323

この記事へのトラックバック一覧です: 天国へのメッセージ:

« Mission Complete | トップページ | どうぞお大事に。 »